昨日のNHKニュースWEBに次のような記事がのった。
わたしたちは科学技術そのものにというよりも、それを運用する人間を警戒する必要があるようだ。新潟県知事の出した以下のコメントからもこの間の東電上層部各位の不誠実さがうかがえる。東京電力は、福島第一原子力発電所の事故発生から2か月たって、核燃料が溶け落ちる、メルトダウンが起 きたことをようやく認め大きな批判を浴びましたが、当時の社内のマニュアルでは事故発生から3日後にはメルトダウンと判断できたことを明らかにし、事故時 の広報の在り方が改めて問われそうです。福島第一原発の事故では1号機から3号機までの3基で原子炉の核燃料が溶け落ちるメルトダウン=炉心溶融が起きましたが、東京電力はメルトダウンとは明言せず、正式に認めたのは発生から2か月後の5月でした。
こ れについて東京電力はこれまで、「メルトダウンを判断する根拠がなかった」と説明していましたが、事故を検証している新潟県の技術委員会の申し入れを受けて調査した結果、社内のマニュアルには炉心損傷割合が5%を超えていれば炉心溶融と判定すると明記されていたことが分かりました。(以下略)
「事故後、5年もの間、このような重要な事実を公表せず、原発の安全対策の検証を続けている県の技術委員会に対しても真摯(しんし)に対応して来なかったことは極めて遺憾。メルトダウンを隠蔽した背景などについて今後の調査で、真実を明らかにしてほしい」
もちろん、当時メルトダウンしたと発表したからといって、どこかの誰かの対応が大きく変わることはなかったかもしれない一方、東電に対する風当たりはいっそうきつくなっていたことだろう。が、メルトダウンしているのか、いつするのか、と遠く大阪に住まいするわたしでもやきもきしたことを明瞭に記憶している。この対応はあまりにもひどくないか。
他の新聞の電子版なども参照する限り、東電の広報関係の方たちは、マニュアルのこの記述を見落としていたと言っておられる。本当だとしたらあなたたちに原発の運転資格は無いと言いたいし、嘘だとしたらあまりにも人を馬鹿にした対応だと言える。やっぱり事故は起こるべくして起こった人災だと確信する次第だ。
こんな連中がいる限り、今回の震災を受けた安全対策が仮に十全のもので、原発の再開が科学的に妥当なものだったとしても、諸手を挙げて賛成できないとわたしは思う。世の中、偽装や隠蔽、虚偽の報告があふれている。自動車関連業界でもあったし、食品関連会社でもあった。免震ゴム関係でも教育関係でもだ。政治は言うまでもない。分野は問わないのである。原発関連でもどんな偽装や虚偽の報告、隠蔽がなされるか分かったものではない。今回のニュースでそれがますます確からしくなったとわたしは思っている。ものがものだ。何かあった時の影響が大きすぎる。
東電の方々だけ無垢で純粋である、と判断していい根拠はない。もしもそう判断する人がいたら、おめでたい人だと言われても仕方ないだろう。
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