垂渓庵です。
ここ最近よんどころない事情により早くに出勤しているのだが、先日の明け方のことである。まだ日の出まで間のある薄暗い中、自転車で出かけようとすると、近所の造成地のフェンスの穴から結構大きな動物が出てきた。形からするとアライグマか狸らしく思える。うおっと思って観察することしばし。薄暗い中とて結局どっちかはっきりとは分からなかったが、 どうも尻尾にシマシマがなさそうだ。それに、『あらいぐまラスカル』の最終回、成獣になったラスカルの大きさを思い出してみても、ちょっと大きすぎる気もした。というわけで今はたぶん狸だったんじゃないかと思っている。
いずれにしても狸だかアライグマ──アライダヌキとでも呼んでおこうか──だかの成獣がうちのごく近所にいたわけだ。うちの近くはものすごく都会というわけでもないが、手つかずの自然が豊富というのとも違う。都市近郊の普通の住宅地だ。あれだけ大きくなっていると人目につくだろうし、そもそも何を食って生きてきたのかも気になる。とても野良の動物にとって生きやすい環境とは思えない場所で、あいつはそれなりにがんばって生きてきたのだろうと思うと思わず目頭があつくなった、というのは嘘だけれど、造成地から出かけてまた戻っていった後ろ姿に「がんばりなはれ」と心の中で声をかけたのは本当だ。願わくは人さまに迷惑をかけずに長生きしてほしい。
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