2014年1月12日日曜日

旧暦12/12 いったい…

垂渓庵です。

以前このブログで田中啓文さんに触れたことがあると思う。『蹴りたい田中』や『銀河帝国の弘法も筆の誤り』『異形家の食卓』などの作者である、大阪在住の気鋭のSF・ホラー・ミステリー作家だ。また、ジャズサックス奏者でもある。

で、その田中さんの小説を冬休み前後に何冊か読んだ。ここでは、その一冊、『こなもん屋馬子』に仕込まれた小ネタを紹介したいと思う。ま、一種のネタ晴らしだけれども、一瞬で終わるもので、なおかつ作品の展開には少しも触れるところがない、というものだ。

小ネタを紹介する前に、作品について触れるべきなのかもしれないが、面倒なので割愛。詳しくは、これあたりを参考にして下さい。なんというか、いかにも田中さんらしい作品だ。


さて、表紙を開き目次の所まで進んでみる。目次は以下のようになっている。ページ数を省略して引用してみよう。

こなもん屋うま子 目次
豚玉のジョー
たこ焼きのジュン
おうどんのリュウ
焼きそばのケン
マルゲリータのジンペイ
豚まんのコーザブロー
ラーメンの喝瑛

これが小ネタだ。え、何がどう小ネタなのかって? では、元ネタを以下に紹介しておこう。

コンドルのジョー
白鳥のジュン
みみずくの竜
大鷲の健
つばくろの甚平
南部考三郎
ベルク・カッツェ
わたしと同世代の男性ならピンとくるだろう。そう、科学忍者隊ガッチャマンの登場人物たちだ。『こなもん屋うま子』の登場人物の名前は、実はガッチャマンの登場人物を踏まえてつけられているのだ。でもストーリーとの関連性はぜんぜんない。

この小ネタに気付く人はそんなにいないんじゃないか。文庫本の解説にも全然触れるところがないくらいだし。

田中さんは、いったい誰を目当てにこんな小ネタを仕込んでいるのだろう。

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