2016年4月25日月曜日

旧暦3/19 航空宇宙軍史

垂渓庵です。

SF作家の谷甲州さんに「航空宇宙軍史」なるシリーズがある。ガチガチのハードSFで、航空宇宙軍の確立~外惑星動乱~氾銀河文明との争いという大きな枠の中で様々な時点の話がとりあげられる。20年以上前に一応の完結を見たシリーズだ。

主にハヤカワSF文庫で刊行されていた。確かシリーズ最後の「終わりなき索敵」はハードカバーで出されたように記憶している。その後文庫化したのだったか。

宇宙空間の圧倒的な距離感や航宙艦の息詰まるような閉塞感、戦闘行動の緊張感などがたまらないシリーズだった。下手をすれば死と隣り合うハードで乾いた世界が好きな人にお勧めだ。

長らく読み返していなかったけれど、気付けばシリーズが再開している。というか、「新・航空宇宙軍史」という角書きを持った単行本が出ているじゃないか。しかも今年のSF大賞を受賞したときたもんだ。こりゃあ買うしかない。と思っていたら、なんと過去のシリーズも改稿されて電子書籍として発売されているというじゃないか。買おうかどうしようか激しく迷っているところだ。

2016年4月23日土曜日

旧暦3/17 雨が

垂渓庵です。

朝はとても天気がよかったように思う。が、気付けば雨が降っている。というか、子供と遊びに出ようとしたらいきなり雨が降ってきた。

妻は菜種梅雨と言っていたが、ちょっと遅くないか。なんか本格的な梅雨につながる雨のような気がするが、ちょっと早いか。

それはそれとして、変に手持ちぶさたになってしまったな。何をしようか。

2016年4月22日金曜日

旧暦3/16 隙を突く

垂渓庵です。昨日、全校一斉の体力測定があった。

中1から高3まで一斉に行われる。みんながてんでに測定場所に群がると収拾がつかなくなるということで、ローテーションを組んで、グループごとに移動することになっている。

しかし、測定種目によってはやたらに混雑するところがあり、そのまま混雑につかまっていてはずいぶんなロスタイムが発生する。というわけで、グループを任されている教員には難しい判断が迫られることとなる。行儀よく順番を守るか、臨機応変に順路を逸脱するか、という判断である。

いや、普通は迫られない。激しく迫られない。順路を逸脱すると全体のアレンジをしている教員からクレームが来る。行儀よく順番を守っている者からも冷たい目で見られる。要はここでの逸脱行為はあれだ。激しくやっちゃいけないことな訳だ。でも遅くなる。というわけで、わたしは逸脱することにしている。とにかく隙を突いてちゃっちゃとやった方が、手持ちぶさたな状態になっている測定箇所を有効利用することになると思うのだ。ただし、横入りはやっちゃいけない。測定に入る前に中学生がやってきたら道を譲る。それがわたしの中でのルールだ。

で、昨日も臨機応変に測定種目をこなしていったところ、途中で全体指揮の教員からさりげに愚痴られた。慣れている高校生がどんどん行くと、中学生が遅れ気味になると言うのだ。わたしはリソースの有効利用をしているで、文句を言われたわけではない、という自信があるので余裕である。確かにそりゃ困るわな。さっきも中学生が来たので先に行かせてやったんや。と応じておいた。不覚にも隙を突かれてしまった。ふう。

2016年4月21日木曜日

旧暦3/15 当代幸枝若さん

垂渓庵です。

わたしが浪曲を聴くようになったきっかけは、去年の年末に国立文楽劇場で浪曲を見てきたことだ。ということは以前書いたように思う。その際の強く印象に残った一人が当代の幸枝若さんだ。

当代幸枝若さんの演目は「加茂の河原」。会津の小鉄シリーズの一つだ。当代幸枝若さんはとにかくのりがよく、見ているこちらがうきうきしてくる演じ方だった。

で、その幸枝若さんを見ようと思ったとたん、病気で浪曲会を休まれることが続いた。わたしが行った浪曲会ではその穴を春野けいこさんが埋めたりしておられた。

大丈夫なのだろうかと思っていたが、その後退院されて、今は元気に活躍されているはずだ。

またお元気な姿を高座で見たいと思う。

初代幸枝若さんのCDをたくさん聴いてみて思ったことだけれど、当代の幸枝若さんは、初代幸枝若さんの特に滑稽を狙ったケレン物の語り口を受け継いでおられるような気がするのだけれど、どうだろう。

そういうことを思ったときに周りに誰も声をかける相手がいない。わたしに友だちがいないわけではなく、浪曲を聴く人間がいないのである。このお寒い状況を何とかしようと思っても、何ともならない気がする。今は浪曲にとって冬の時代だ。いや、氷河期か。国本武春さんもお亡くなりになってしまったし。いっそうちの文化鑑賞会に浪曲をフィーチャーするか。でも中学生から高校生まで聴いておもしろいような演目があるのだろうか。

2016年4月18日月曜日

旧暦3/12 幸枝若さんのこと

垂渓庵です。

幸枝若さんと言っても浪曲のコアあファン以外はほとんど知らないんじゃないか。初代の京山幸枝若さんは一世を風靡した浪曲師さんだし、当代の幸枝若さんは、初代幸枝若さんの実子で、初代の芸を受け継ぐ浪曲親友協会会長だ。

私は当代の幸枝若さんの芸は実際に見たことがあるけれど、先代は実際に見たことがない。CDや映像を通して知るだけである。が、とても達者だ。

私が聞いたCDの数は約30枚。これが多いのか少ないのか実はよく分からない。何しろ、カセットの時代も含めて幸枝若さんの音源がどれぐらいあるのやらよく分からないからだ。が、浪曲が流行っていた頃ならともかく、今の人間にしてみたら多い方ではないかと思う。というか、そもそも30枚近くのアルバムを聴いたアーティストのアルバムはそんなにない。ジャズのチャールズ・ミンガス、ローランド・カーク、アート・ファーマーぐらいのもんじゃないか。いや、ファーマーはそんなに聴いていないか。

閑話休題。先代の幸枝若さんは、会津の小鉄シリーズ、左甚五郎シリーズをはじめとして、古い外題の作品を演っておられた。「玉砕硫黄島」のような現代物もないではないけれど。河内音頭や江州音頭のCDも複数ある。そんな中で私のお気に入りは、会津の小鉄シリーズでは「花嫁仁義」か「血煙稲荷山」、左甚五郎シリーズでは「竹の水仙」、シリーズでない演目では「武蔵屋新造」河内音頭では「森の石松」だ。

「花嫁仁義」では、小鉄の兄弟分の坊さんが面白い。「血煙稲荷山」では助っ人の登場が胸がすく。「竹の水仙」はお話の完成度が高いように思う。「武蔵屋新造」は新造の啖呵が面白い。二人の曲師による三味線も面白い。「森の石松」は石松のいまわの際の口説きが哀切でいい。

と言っても比較の問題で、幸枝若さんの浪曲や音頭はとても聴きやすいし、バラシと言われる全体の終盤部分での節回しの高揚感が何とも言えず心地よい。

浪曲や音頭はCD自体があまりないけれど、比較的手に入りやすいものもあるので、機会があったら手にとってほしいと思う。

2016年4月17日日曜日

旧暦3/11 震災寄付

垂渓庵です。

すっかりご無沙汰しています。いつもと同じく、何ということもなく更新をしないままにブログを放置していた。いったん間隔が空いてしまうと、再開するのにはエネルギーが必要だ。その必要なエネルギー量が増えている気がする。これはあれか。老化か。トマトジュース飲もう。


などとのんきなことを言っている場合ではない。熊本では大変なことになっている。九州各地で余震が相次ぎ、南海トラフ地震につながるのではないかとも言われている。本震は阪神淡路大震災規模だったけれど、大都市直下で起こったのではなかったので、死傷者の数が比較的小さい。しかし、避難生活を強いられる人はとても多く、今日の雨で健康を損なう人が多く出ないか心配だ。雨による土砂崩れも多発するのではないか、気がかりなところでもある。

わたしは職場の最寄り駅から職場までのバス乗車区間を歩いて浮いたバス代を東北の地震に寄付しているわけだけれど、当面の間、半分を熊本の地震への寄付に回そうと思う。どちらも日本赤十字や日本財団などで受け付けている。

ちなみに、東北の地震に対する日本赤十字の受付は、いったんこの三月で終了の予定だったが、来年三月末まで何度目かの延長がされている。大規模災害からの復興は容易なことではない。息の長い支援が必要だ。