2012年12月24日月曜日

旧暦11/12 選挙結果

垂渓庵です。

すでに旧聞に属するが、自民党の圧倒的勝利で選挙が終わった。ま、自民党が勝つだろうなとは思っていたが、ここまでになるとは思わなかった。インド人もびっくりである、という言い方は今では差別にあたるもののようである。ばかげた気がしないでもないが、それが今回の本旨ではない。

 たぶん自民党にそんな馬鹿な人がたくさんいたりはしないだろうと思うけれど、自分たちの主張を国民は選んだのだ、自分たちは信任されたのだ、と勘違いすることだけはないように祈っている。

断っておくが、わたしは民主シンパでも、第三極の躍進に期待していたわけでもない。対中、対韓融和派でもない。ただ普通に政治が行われることを期待しているだけだ。普通の政治とは、時に妥協や路線変更を行いつつも、弱い立場の人たちを守る、国民の健康と福祉を守る、という基本的なスタンスを維持するものを言う。

現実の政治においては、駆け引きや嘘が必要になることもあるだろう。しかし、白を黒と言いくるめる強弁はしてはならないし、誤りがあれば率直に認めて謝罪しなければならない。なぜなら子どもが見ているからだ。

わたしが子どもの頃、環境庁が発足し、実質的な初代長官の大石武一さんが、世論を背景に環境を守る姿勢を鮮明に打ち出した。当時は小学校高学年や中学生のような子どもの中にも、彼の言動に関心を持ち、心を動かされる者がいたのだ。

もちろん、それは親の影響によるところが大きいのかもしれない。しかし、たとえそうであっても、子どもが政治家や著名人を大人のモデルとして見ている面があるのは確かなことだ。見苦しい醜態をさらして自己の保身をはかろうとする方々は、そういうことをよく考えないといけない。

そのような目で見た場合、民主党はあまりにも情けなかったと言える。マニフェスト破りは日常茶飯事、しかもそれをてんから恥じる様子もない、不祥事閣僚を辞めさせる時も、首相の任命責任を問われるのを恐れて交代理由を明確に述べない、挙げ句の果てに福島第一原発事故へのよく分からぬ対応と自己の正当化…。

こんな大人を見て大きくならなければならない子どもは不幸だと言える。

子どもへの影響はひとまず置くとしても、これほどばかげたことを繰り返してきた政党に再び票を投じようと思う人が少ないのは当然だと言える。が、それならどこに投票するかを考えた時、どこを選ぶか。

政治主導を口にしながら官僚の言いなりになっていた素人政治家──と素人目には映る──に辟易した人間は、曲がりなりにも政治のプロが多いだろう政党を選ぶはずだ。となると、必然的に自民党にならざるを得ないのである。

それは積極的選択の結果ではない。消極的な消去法の結果なのだ。当然、今後の与党自民党の政権運営次第で、人々の心は簡単に離れるはずだ。「政治家=人間の屑」 、そんな図式を成立させないためにも、与党自民党には今後の政権運営に厳しい自己省察が求められるところだ。

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