垂渓庵です。
こないだ、意外なつながりということで、浜尾四郎と古川緑波兄弟をとりあげた。まだいました。意外な関係の二人。それは、…。
『ドグラ・マグラ』で有名な夢野久作が、政界のフィクサー的な存在だった杉山茂丸の息子だということだ。というか、その二人が親子だというのは、何となく知っていたけれど、父親である茂丸が、岩波文庫で出版されている『浄瑠璃素人講釈』(上・下)の著者だということに最近気付いていたく驚いた。
杉山茂丸と其日庵。う~ん、うまくつながらない。夢野久作と其日庵、やっぱりうまくつながらない。吉田健一と吉田茂が親子であってもべつに不思議じゃないけれど、その吉田茂が実は沼正三でしたと言われたのと同じぐらいの衝撃だ。いや、吉田茂は沼正三じゃないですよ、念のため。
それにしても不思議だ。政界の黒幕としての暗躍と『浄瑠璃~』での旦那ぶり。どこでどうしてつながるのだ。夢野の文章を読む限りでは、財産は杉山の活動資金になり、貧しい生活をしていたようなのに。
夢野が反発したという父親像には浄瑠璃に傾倒する面も含まれていたのだろうか。違うような気もするのだけれど。やっぱりよく分からない。
どうも結論らしいものもないままに終わってしまいそうだ。とりあえず、『ドグラ・マグラ』は青空文庫で読めますよ、とアナウンスをしておいて終わることにしよう。
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