垂渓庵です。
有吉佐和子さんの『複合汚染』を再読した。高校生の頃に読んだのだったか。レイチェル・カーソンの『沈黙の春』を読んだりしていた頃だ。その中身に軽くショックを受け、有吉さん自身に興味を覚えたのもあり、『日本の島々、昔と今』(?)を読んだりもしたものだった。これは、田尻宗昭さんの本と重なるところがあるのではないかなと考えてのチョイスだったか。
で、『複合汚染』を読んで思ったのは、なるほど、こんな国が放射能汚染の問題を真剣に考えないのはあたりまえだ、ということだ。何万年という期間にわたる高濃度放射性廃棄物の保管の問題など知ったことか、ということなんだろう。福島の事故による子どもの放射線被曝も眼中にないわけだ。
こんな国に誰がしたのかというと、わたしも含む一人一人なわけだけれど、わたしが生まれる以前からこんな国であったというのも事実だ。吉田満さんが繰り返し問いかけていた、戦争で散華した人達の思いに、わたし達は答えているか、という問いにわたし達は胸をはって否と答えることができる。
この国はまことにすばらしい国である。
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