垂渓庵です。
わたしの実家のある某市の人口は、わたしが子供のころと比べて二万人近く増えている。しかし、である。高齢化が進んでいるのか、わたしが通っていた保育園と小学校が消えることとなった。統廃合のあおりを受けてのことである。
世の中で学校の統廃合が話題になることはあるものの、自分には無縁のことと思っていただけに、ちょっとびっくりしている。
保育園は実家のごく近くにあり、確か旧家の人が保育園として使うならということで土地を売り払ったものと聞いている。その後五十年あまり保育園は存続してきたわけだけれど、利用者の減少によってとうとう廃園の憂き目をみることになってしまった。
土地は民間に払い下げられると聞いている。この場合、もともと土地を持っていた旧家の方との約束はどうなるのだろうか。五十年間保育園が存続したのだからもういいだろうということなのだろうか。あるいは、半世紀も前の約束など無いも同然ということか。我が母校がなくなるからというのではないく、釈然としないものを感じなくもない。あの旧家のおばあさんはとてもいい人だったのだ。
わたしが通った小学校も統廃合の対象となり、姿を消すことになるそうだ。わたしが小学生のころに聞いた話が本当なら、こちらは古い墓地を整理して建てられたものらしい。わたしが入学したころは、古い講堂ともはや使われていない古い平屋の教室棟が残っていた。あ、コンクリート造りだけれど使われていない教室棟も一つあった。平屋の方は入学後早々に取り壊されたと思うけれど、コンクリート造りの方はつい最近まで残っていたはずだ。あそこでこっくりさんをしたように思うのだけれど、生徒が自由に立ち入りできたとも考えにくいから、記憶違いだろうか。
何にしても、図書室で子供向けのSFシリーズを借りて読んだのがSF好きになったきっかけだったと言ってもいいだけに、あの学校に愛着がなくもない。ちょっと残念な気がする。
少子高齢化をこんな形で身近に感じることになるとは思わなかった。中学校はロケーションから言って統廃合の対象にはなりにくい気がするけれど、どうだろうな。
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