垂渓庵です。
先日、本を一部処分した。という話は書いたのだったか。けっこうな量だったので、古本屋さんで値段をつけてもらうのに少し時間がかかった。その間店内を物色していると、『不思議な日本語 段駄羅』(木村功)という本が目についた。
「段駄羅」って何だ。「だんだら」と読むのだろうということは想像がついたが、それが何なのかさっぱり分からない。で、とりあえず手に取って前書きや目次を眺めてみた。どうやら石川県輪島地方に伝わることば遊びらしい。こいつは暇つぶしにちょうどいいと思って、買ってみることにした。本を減らすために古本屋さんにやってきて、本を買って帰るのはいかがなものかと思わなくもないけれど。
「段駄羅」とはどんなものか。ざっと眺めると、どうやら伝統的なことば遊びの「もじり」と同じものらしい。あるとき輪島の漆塗りの職人の間で大流行し、その後も伝えられてきたもののようだ。
何はともあれいくつか引用してみよう。
渡り鳥 はるかきたから 一年生
宗匠は うまいくつくる 家畜市
苦のあとに らくがきました 寺の壁
中の句が和歌の技法でいうところの掛詞になっているのだ。一句めは、「渡り鳥 遙か北から」と「春が来たから 一年生」が重ねられており、二句めは、「宗匠は うまい句作る」と「馬いくつ来る 家畜市」が重ねられている。三句めは、「苦のあとに 楽が来ました」と「落書き増した 寺の壁」、という具合だ。
では、次の句はおわかりだろうか。
大臣が かたいなかから 胡桃の実
ピーポーの おとこだまして ほくそ笑み
その声が かんだかいわい 古本屋
答えは次回。覚えていればだけれど。
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