垂渓庵です。
引き続きkindleを利用している。簡便にいろいろな作品を持ち運べるのでとても重宝しているが、利用に気をつけないといけない面があるように思えてきた。ことはamazonの運営方針、ひいてはネットそのものの本質にも関わるのではないかと思われる。
というほどたいそうな話では実はない。
kindleの書籍購入サイトでは、随時セール本というものが紹介されている。シリーズの初巻などはそれできわめて安く買えたりする。また、インディーズ系とでも言えばいいのか、個人で出しているようなシリーズの中には──kindleだとそれが手軽にできるようだ──、見本の意味でだろうか、何冊かを無料にするようなところもある。
しかも、それらは固定しているわけではなく、時に無料、時に有料となったり、期間限定で無料その後有料となったりするという感じで、購買者の目を常に引きつける戦略がとられているようだ。
洋書も同様で、こんなものが無料あるいはこんなに安価で買えるのか、という感じだ。小さな子供向けのショートストーリーがいくつも入って無料だったり、動物のカラー写真と簡単な説明が入った絵本的なものも同様だったりする。もうちょっと難しい本でも同じことが言える。
もちろん、わたしは英語が得手ではない。が、いずれディケンズの作品を原書で読みたいと思っているので、そのリハビリにはちょうど手頃なのだ。
それはともかくとして、amazon本体にしろ、そこに本を出品している方達にしろ、できるだけ自分たちに注目してもらう必要があるわけで、タイムセールのような値引きなどもそんな誘導戦略の一環だと思われる。そうやって顧客を囲い込もうとしていると言えばいいだろうか。kindleだけで用いられるmobiという書籍のフォーマットも同じことだ。
というわけで、その方策にうかうかとのせられてしまうと、それらをチェックするために意外に多くの時間を費やしてしまうことになる。おまけに、ネット上には青空文庫やプロジェクト・グーテンベルクやプロジェクト杉田玄白などというサイトも存在し、そこでもしょっちゅう新規公開される作品がある。そんなものまでチェックしだすとますます時間がとられてしまう。
下手をすると読むために電子書籍を導入したはずが、気づいたら本を読む時間がなくなってしまったなどということになりかねない。実際、わたしもkindleをいじりだした当初は、しょっちゅうそれらのサイトをチェックしないといけない気持ちになった。携帯やネットにはまる学生はこんな気分になるんじゃないかと思った次第だ。もっとも、わたしはいい大人なので、そこらを自覚して、適当に巡回頻度を落とすことができたけれど。
というわけで、ネットの場合にも次の標語があてはまるのではないかと思う。
ご利用は計画的に。
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