せっかくだから、「祝詞大祓全集」に載っている祝詞を紹介してみよう。
どうせなら、珍しいところをいってみよう。
今回は、「図書館開館祝詞」だ。今時、会館に際してそんなものをとなえたりはしないだろう。
祝詞の独特の文体は入力が少し面倒なので、今回は、祝詞の前に着いている著者のコメントをまず紹介しよう。
適宜現行の字体や歴史的仮名遣いに直して引用してみる。
図書館の有無によってその地の文野はすぐに分かるものである。されば是非ともこれを設けてその地その地の文化を向上することにせねばならぬ。とは言え、事業の隆替は、一にかかって神慮にある事なれば、開館の当初にはまず神に祝詞を奉って、その加護を仰ぐことが第一の先務である。何やら祝詞業界──あるのか、そんな業界──のPRのような気がしないでもない文言だが、著者は本気なのかも知れない。というか、他の祝詞へのコメントもあわせて考えると、しっかり本気だ。本気で図書館の開館に際しては神の助力が必要だと考えているらしい。
ま、そこらへんは時代、あるいは著者のメンタリティということなのだろう。
それはそれとして、それぞれの地域の文化水準を図書館の存在と結びつけるのは、なかなか鋭い指摘なのではないか。図書館が充実していて、地域住民に十二分に活用されている状態を想像してみると、確かに地域の文化水準が高い状態だと言えそうだ。
もちろん、それは図書館だけではなく、博物館やさまざまな文化施設についても言えることだ。図書館も含めて、文化施設というものは、施設単体の収支は厳しいものにならざるをえないかもしれないが、収支バランスだけを考えていたらいいというものでもないことが分かる。
兼ね合いが難しいところだと思うけれど、そこらをばっさりと割り切ったのが、現大阪市長だ。それが吉と出るか凶と出るか。元大阪府知事が考えるほどそこらの関係は単純ではない、とわたしには思える。
何やら話が逸れた。次は、祝詞本文を紹介します。
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