2013年2月1日金曜日

旧暦12/21 ネットで検索

垂渓庵です。

前々回、本を一部整理したことを書いた。

わたしはもともと本を並べて悦に入るところがあったけれど、蒐書狂というほどではない。が、買った本をなかなか手放せなかった。

その気持ちの背景には、いったん手放してしまうと、もう一度手に入れるのが難しいという事情があったのかもしれない、と今になって思う。

今でこそ、古書店がこぞってネットで在庫目録を公開しているけれど、ほんの十数年前には、そんなことは行われていなかった。

当然、本を手放した場合、よほどのベストセラーででもない限り、品切れあるいは絶版のものは、再び巡り会うことが難しくなる。もちろん、図書館に行けばあるはずだ。しかし、世の中、図書館に行ってまで読みたい本ばかりではない。

たとえば、「宇宙はジョークでいっぱい」(角川文庫)。アメリカの宇宙開発にまつわる愉快な話が詰まった本だ。30年近く前にたまたま新刊で買って読んだ。その後うっかりどこかにやってしまった。

時折読み返したいと思ったものの──暇つぶしにちょうどいいのだ──すでに品切れ状態になっており、再び手に取る機会がないままに忘れてしまった。宇宙開発に格別興味がある訳でもなし、わざわざ図書館に行く気にはならない。行った時には忘れている。今回思い出したので検索をかけてみると、1500円ほどで手に入るらしい。

もちろん、検索してもヒットしない本もあるし、馬鹿みたいに高値がついているものもある。だから、一概には言えないけれど、たいていの本は、手放したとしてもまた容易に手に入るようになっていると言えるだろう。

そんなこんなで、本に一期一会的な思いを抱く必要がなくなってきた。それで手放すことに抵抗がなくなってきた、という次第だ。どうやらわたしは真性の蒐書狂ではなかったようだ。

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