2013年10月30日水曜日

旧暦8/16 大阪の文運

垂渓庵です。

先日、『上方芸能』編集長の木津川計さんの話を聞く機会があった。その話がらみで何やら起こりそうな気配であるが、それは置く。

木津川さんの話を聞く会の世話人のある人から聞いたところによると、大阪の文運というか文化というか、その衰勢に木津川さんはいたく気をもんでいるということだ。確かに、純文学や詩の世界のビッグネームで、大阪在住という方はもはやほとんどいないのではないかと思われる。大阪の文運は、衰勢の一途をたどっていると言ってよさそうだ。

ところがどっこい、純文学などにとらわれずに見渡してみると、一概にそうとばかりも言えない。
たとえば、推理小説の世界では、有栖川有栖さんががんばっておられる。京阪神に在住ということでいうと、我孫子武丸さんもそうではなかったか。SFの世界でも、北野勇作さんや田中啓文さんは大阪在住のはずだ。あと、記憶違いかもしれないけれど、牧野修さんや田中哲弥さんも京阪神にお住まいではなかったか。おっと、大御所眉村卓さんやかんべむさしさんもいるのだった。

上に記した作家さん達の中には、新作落語を提供するという、伝統芸能の世界とクロスオーバーする試みをする方もおられる。

と考えると、大阪の文運はかつての文壇的な作家の存在とは別の形で、それなりにあなどれないものがあるのではないかという気がしないでもない。

というようなことを機会があれば一度木津川先生にお話ししてみたい気がするが、さてそんな機会はあるのかないのか。

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