2015年8月30日日曜日

旧暦7/17 女子高生とエヴァ

垂渓庵です。

20年前、テレビ版エヴァンゲリオンがはじめて放映された。阪神淡路大震災のあった年だ。

震災後、わたしはテレビを見ていなかった。うちのテレビに電気が通じたのは、以下に書く出来事のあった時と、2001年に9.11テロが起こった時のことである。実に長い間沈黙し続けたことになる。テロの時はラジオでニュースは聞いていたのだが、さすがにこの目で状況を確認したくなったのだ。

という思い出話はさておき、結局わたしはエヴァンゲリオンの本放送を全く見なかったし、それがけっこう支持者を集めているらしいこともあまり認識していなかった。


おそらくその翌々年だったと思う。わたしは高等部の男子クラスを教えていた。雑談の際に、何の拍子か、Sという生徒がエヴァンゲリオンの熱烈なファンであると知った。

ああ、そうですかという感じだったのだが、その生徒はどうも布教に熱心だったようだ。そのすばらしさを力説してやまなかった。心優しいところのあるわたしは、結局Sからビデオを借りることとなった。エヴァエヴァと彼が連呼する作品がどんなものか少し気になったしね。ビデオはCMなどをカットして、何倍速かで全話を詰め込んであるものだった。もちろん、彼お手製のものだ。

当時わたしはテレビを見ていなかった。二年ぶりぐらいにテレビとビデオデッキの電源を入れたのだった。

全二十四話をいっぺんに見るというのは、なかなかにきつかったのだが、借りたものは返さねばならぬ。というわけで、週末も利用して一気に見ることとなった。この時以後、私のテレビとビデオデッキは、9.11のテロの時まで再び沈黙することとなる。

実は終わりの方の展開がよく分からなかっったりしたのだが、全体としては、確かに掘り下げて理解したくなるものを感じた。碇シンジの鬱屈ぶりや綾波レイの存在感も大したものだったし。メカや世界観の独特の雰囲気なども考え合わせると、はまる要素がてんこ盛りだった。

そういう作品にオタク的素養を持つ方々がわらわらと群がっていったというのはよく理解できる。あれだ、伝説巨神イデオンが一般には浸透しなかったものの、オタク的素養を持つアニメファンの間でえらいこと支持されたのと同じようなものだと考えればいいわけだ。

理解できないのは、あまりオタク的素養を持っているとは思えない今の女子高生にも指示するものが結構いるということだ。なぜそうなるんだろう。オタク的感覚をいつの間にか一般人も身につけたということなのだろうか。

少なくともエヴァンゲリオンが放映された時点でそんなことが起こっていたとは思えない。彼女らは、吉田秋生や群ようこなどに向かいこそすれ、エヴァになんぞ目もくれなかったはずだ。

オタクの浸透と拡散が起こっているということなのかな。もう少し観察を続けてみようと思う。

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