垂渓庵です。
まだ暑い。そのせいか、ここ二、三日夕立がある。雷はありがたくないけれど、雨がさっと上がった後は少し涼しい。夕立様々である。
さて、ラノベと星新一や筒井康隆さんの話を続けよう。どちらも中高生に広く指示されている(いた)ものだ。
が、ちょっとした違いがあるように思える。ラノベはどちらかというと中高生に寄り添って書かれている。中高生が主人公の作品もものすごいく多いし。
一方の星新一や筒井康隆さんの諸作品はどうか。いわゆるジュブナイルに属するものは別として、特に中高生に寄り添っているとは思えないものが大半だ。小松左京その他の1960年代70年代にきら星の如くに並んだSF諸家の作品も同様だ。
コバルト文庫の作品は別として、当時の中高生は、大人を意識して書かれた作品を好んで読んでいたことになる。市場が細分化されていなかったということもできるだろうけれど、やはり、嗜好の違いが窺えそうだ。
一言で言うならば、背伸びをしているかしていないかということになるのではないか。もちろん、星新一の作品などは、とてもリーダビリティの高いもので、背伸びをする必要もなく読めたのではないかと思う。が、その他のSF作家の方々の作品は、必ずしもそうではない。
筒井康隆さんの実験的な作品や、小松左京のスケールの大きい長編、眉村さんの中間管理職の悲哀を感じさせるような作品群、どれも中高生には手に余るところがある。が、それらを当時の中高生は背伸びして読んだのではなかったか。
このあたりの事情は、ミステリ系の諸作品についても同じことが言えるように思う。
が、長くなるのでそのあたりはまた次回ということにしよう。
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