2021年10月18日月曜日

旧暦9/13 鶯童さんの本のこと

垂渓庵です。

とある方から段ボール箱で2箱分ほどの本をもらい受けた。不要の本が一切合切で2箱分あるというのではなく、不要になる蔵書から選ばせてもらった2箱だ。もともと欲しかった本が結構入っている。それはそれとして、たまたま本を選ばせてもらいに行っている時に目についたのが浪曲師の梅中軒鶯童さんの自伝だ。鶯童さんは、「紀文の船出」などを持ちネタにしている。喉の故障で大きな声は出なくなったらしいが、台詞回しや節回しに工夫を凝らし、聞くものを魅了する「鶯童節」を作り上げたと言われている。「紀文の船出」を聞いていると、思わず楽しくなって、船で旅に出たくなってくる。紀伊国屋文左衛門たちはミカンを積んでの嵐の中の決死の船出なんだけれど。

とは言ってもわたしも直接鶯童さんの高座を見たことはない。何せ彼は昭和59年に亡くなっている。今からざっと40年近くも前だ。当時私は大学生だったけれど、浪曲のろの字も目に入っていない頃で、鶯童さんの名前も当然知らなかった。当時浪曲師で知っていたのは「広沢虎造」か「広沢瓢右衛門」さんぐらいのものだ。「虎造」はさすがにビッグネームだし、「瓢右衛門」さんは、テレビ番組でちょっとブレイクしていて、浪曲師というよりも面白いおじいさんとして認識していた。私に浪曲体験はほとんどなかったのだ。しかし、その後いろいろあって浪曲を聞くようになり、鶯童さんのうまさを知ったというわけだ。

その鶯童さんの自伝だ。とても興味がある。で、ぜひにと譲り受けた訳だ。中身は鶯童さんの芸談や思い出話で、今は詳細は省く。今では想像すべくもない芸能の話が色々出てきてとても面白いので、興味のある人は大きい図書館で探してみてください。

というような本が他にもいくつもある。また追々紹介していくことに仕様。

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