垂渓庵です。
小島秀哉さんという演劇人がいた。17日にお亡くなりになった。藤山寛美率いる松竹新喜劇で活躍した人だ。かつて、テレビで「寛美3600秒」なる番組が放映されていた。わたしが小学生の頃だったろうか。その後新喜劇を退団したそうだが、そのあたりはあまり覚えがない。
「寛美3600秒」当時は、二枚目の役所を演じることが多かったように記憶している。三枚目系の小島慶四郎さんとともに、テレビで視聴していて印象に残る俳優さんだった。
その秀哉さんのお姿をナマで 拝見するようになったのが、新生松竹新喜劇の舞台でのことだった。今から十年以上前のことになるだろうか。かつてと変わらぬ達者ぶりを見せておられたのが印象に残っている。
ちょうどそんな頃に、曽我廼家喜劇「山椒の会」の旗揚げ公演があった。曽我廼家五郎、十郎、十吾によって繰り広げられ、松竹新喜劇の元となった作品を積極的に演じていくという趣旨で、当時の新生松竹新喜劇の若手メンバーが中心に参加したものだ。ワッハ上方のホールでの公演だったと記憶している。
わたしは、秀哉さんが客席におられるのを開演前だったか休憩時間だったかにたまたま目にした。一緒に見に行っていた職場の同僚が教えてくれたのではなかったろうか。後輩たちが立ち上げた舞台を見に来てやろうということだったのだと思う。本当に喜劇が好きな人なのだろうなと思ったことを覚えている。
さて、その秀哉さんにとてもよく似ている小料理屋の主人がいる。声も似ている気がする。もちろん赤の他人だ。ここしばらく顔を出していなかったけれど、秀哉さんを偲んで久しぶりに訪ねてみようと思う。
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