垂渓庵です。
久々に川柳の近作を紹介しよう。某誌の最新号にとられたものだ。締め切りの関係で、作ったのは二ヶ月近く前になるのだけれど。
混沌に混沌重ねところてん
群青が逆立ちをして梅雨明ける
格子戸をくぐった先にある不安
ジュリアナを忘れぬ刀自の白扇子
以上だ。
一句めは見たままの句だ。説明は不要だろう。
二句めもそんなに分かりにくくないのではなかろうか。夏の青空は群青だ。えいやっと群青が逆立ちをすることで梅雨が明けるのだと思ったことは誰でもあるのではないかと思う。
三句めはどうか。ちょっと分かりにくいか。しかし、本来、先には何があるのだろう、と格子戸を見た者は誰しも思うはずなのだ。格子戸にはそれだけの力がある。
四句めのジュリアナはバブルの頃に流行っていたあれだ。刀自はこの句では女性全般を漠然と指すものとして用いている。同僚に妻のことかと言われたが違う。けれど、そういう読みもできるな。
さてさて、何句もとってもらえるように精進精進。
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