垂渓庵です
最近はうちの職場御用達の本屋さんや古本屋さん、kindleで用を済ますことが多く、大規模書店に行く機会が減っていた。先日、ほんとに久しぶりに大規模書店でゆっくり時間を過ごした。その際に気づいたことがいくつかある。
一つがSFの棚の異変だ。
ざっと見渡していて気づいたのだけれど、どうも自分でSFやファンタジー系統のお話を書こうって方々相手のネーミングや設定のヒント的な本がやたらに多いのだ。以前、もう少しまめにSFの棚をチェックしていた頃には、たぶんそんなものはなかったはずだ。それが今ではけっこうな場所をとっている。
これはあれか。携帯やネットの普及で、誰でも文章を書いて不特定多数の読者に読んでもらえるようになってきているからか。作者となるハードルが下がっているのだと思われる。かく言うわたしも、物語こそ書いていないが、こんな風に自分の文章をアップして不特定少数の方達に読んでもらっている。ネットがなければ不可能なことだ。
しかし、物語を作るハウツー本というのは、ちょっと微妙な存在のような気もする。何かを書きたいという思いが先行するのではなく、書けるから書いてみる、そのためにハウツー本を参照するというわけだ。精神論は好きではないが、それで魂の入った作品が書けるのだろうか。SFを少しかじっただけのSF作家なんてのも出てきそうだ。面白ければいいとはいうものの、面白いかどうか、ちょっと疑問だ。
他のジャンルで考えるなら、ミステリーがそれほど好きではないミステリー作家、時代物に思い入れのない時代小説作家、などなどというようなものだろう。なんというか、裾野が広がるというのとはちょっと違う気もするのだけれどどうだろう。
とりあえず、どんなことが書いているのやら、あのやたらにあったハウツー本をいくつか読んでみるか。
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