2013年6月28日金曜日

旧暦5/20 右傾

垂渓庵です。

先日、鳩山元首相の尖閣諸島を巡る香ばしい発言があった。と思ったら、27日にも中国で同様の発言を繰り返していたようだ。

わたしは、どちらかというと尖閣諸島は日本の領土であるという論の方が説得性があるという気がしているが、ここに述べることはその立場とは無関係だ。極力ニュートラルな立場に立って考えてみたい。

鳩山元首相は融和的な親中派なのだろう。それはそれで人それぞれいろいろな立場があっていいので、とやかく言う筋合いのものではない。しかし、領土問題というのはデリケートな問題を孕む。首相まで務めた公人であれば、軽々しい発言は慎むべきだろう。

というような道義論はひとまずおくとして、彼の発言の引き起こす波紋を考えてみよう。中国は、元首相の発言だからして、自己の立場の補強材料として政治的に利用することを目論みるだろう。きっと喧伝することと思われる。鳩山発言を受けて、デリケートな問題を粘り強く解決していこうという方向には決して向かわないだろう、ということはほぼ確実に言えることだ。

日本の場合はどうか。中国が尖閣諸島の領有に関して理論武装するごとく、日本側にも尖閣諸島の領有に関しては、その正当性を主張する論拠が存在する。鳩山発言は、その論拠に拠って立つ人々を刺激することと思われる。現内閣を主宰する安倍首相は、日本側の正当性を積極的に主張する立場の人だ。内閣あるいは政府が、鳩山発言を受けて自己の主張を考え直すという方向に向かわないことは、これまたほぼ確実に言いうることだ。

結局、鳩山発言は、彼個人の善意から出たものであったにせよ、両国の外交交渉に何ら資するところを持たず、かえって両国を頑なにする結果しかもたらさないことになるだろう。なぜ彼はそんなことも分からないのだろうか。しかも、27日の発言は、北京でなされた。なんだかなあという感じだ。本人は、やったったと高揚しているのかもしれないけれど。やっぱり宇宙人だなぁ。

今日の警句 

勤勉は馬鹿の埋め合わせにはならない。勤勉な馬鹿ほどはた迷惑なものはない。(ホルスト・ガイヤー)

も一つ

愚行を演ずる人は多かれ少なかれやはり馬鹿である。(同)

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