垂渓庵です。
前にも書いたと思うけれど、本をかなり整理して本棚二つ分減らした。が、みっちみちに本を詰め込んだ本棚がまだ三つ残っている。みっちみちの状態を解消すれば、空になった本棚がすぐにいっぱいになると思う。わたしは本当に古本屋に本棚二つ分の本を売り払ったのだろうか。前の一文にはやたらに「本」という字が多いな。ええと、ともかく、なんか本が減った気がしない…。
しないのに、困ったことが起こっている。それは…。
わたしの記憶力の劣化と関係している。最近は読んだ本の内容をすぐに忘れる。いや、以前読んだ本の内容も怪しいものだ。特に興味本位でたまたま手に取ったような本なんて、読んだことすら忘れてしまう。
そんなわたしでも、手元に本がある限り、さすがにその存在自体を忘れるということはない。いや、忘れたとしても、緩くジャンル分けしている本棚のしかるべき位置に本があれば、存在を思い出すことができる。
そんなこんなで、いろんなジャンルに渡る教材にもその都度対応してきたわけだ。が、本棚に欠員が大量に生じてしまった。ジャンルによっては、部隊の編成自体も危ういという状態だ。国文学や国語学関係はまだいい。売り払ったのは、あまり感銘を受けなかった研究書や影印本、漢籍関係のちょっと特殊すぎる蔵書が中心だったからだ。戦闘能力の高い部隊の編成はまだ十分に可能だ。
外国文学の関係もまだまだ健在だ。国史、東洋史、民俗学、哲学、西洋近現代史、キリスト教関係もまだやれる。マチルダさんの補給を受けたホワイトベースのようなものだな。
致命的なのは、西洋の中世から近世にかけてのところだ。ここはほとんど本がなくなってしまった。ギンズブルクの本は残してある。けれど、残念ながらあの人の研究の方向性から言って、政治の流れを見るには不向きだ。面白い研究をしているとは思うけれど。
これからルネッサンスや絶対王制について自分の知っているはずのことを確認するにはいったいどうしたらいいんだろう。現にハプスブルク家について調べようとして、はたと困惑してしまった。おれは何見て調べりゃいいんだ。図書館で調べればいいけれど、図書館には逆に本が多すぎる。ハプスブルクのカール5世やマリア・テレジアについてまとめて書いてあったコンパクトな本があったはずだ。ああ、あれは何だったろう。
これから、こんなことがしょっちゅう起こるのだろうか。いやだいやだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿