垂渓庵です。
ここのところウルトラマンメビウスを初回から見直している。きちんと初回から順番通りに見るのは、今回が初めてのことだだ。少しずつ見続けて、やっと35話にたどりついた。最終50話まであと少し。長い旅も終盤にさしかかっている。
メビウスは毎回泣きの演出が行われ、作品が有機的に関連しあっている、とても面白い作品だ。順番通りに見ていなくともそれぐらいは理解できていたけれど、今回、初回から見続けて、あらためてそう感じた。
そもそもメビウスという作品の視聴を始めたのは、本放送時に残り十話足らずとなったころのこと。大学の先輩で、川柳の先輩でもあるchikurinさんに奨められてのことだった。chikurinさんは、本放送終了後も年一回はメビウスを視聴し直すことにしているという剛の者だ。年によっては、一回ではきかないこともあったのではないか。
もともとchikurinさんは古いウルトラシリーズを丹念に見直し、それぞれの作品性について掘り下げて考えていた。某所で公開しておられた視聴記録はとても読み応えがあったのだけれど、今はない。中でもダンとアンヌの関係を作品からあぶり出す考察はその白眉だったと思う。そのchikurinさんが推奨する作品だ、面白くないはずがない。というわけで、わたしも視聴を始めたのが、ウルトラマン80の登場する回だった。
80は、アニメのザ・ウルトラマンとともに、今では第三期ウルトラシリーズと呼ばれることもあるようだけれど、単発作品の趣が強い。本放送が始まったのは、わたしが中学生の頃のこと。当時人気のあった学園ドラマの要素を取り込むという斬新な設定で始まったのだけれど、視聴率的にはふるわなかったもののように記憶している。視聴率へのてこ入れのためか、途中でその設定がいきなり消えてしまったのが、いかにも唐突な印象だった。久々のウルトラシリーズ復活ということで勇んで視聴を始めたのだけれど、どうも作品世界に入り込めず途中で視聴を断念した。
そんな80が登場するというのも何かの縁だ。chikurinさんの奨めもあることだし視聴してみよう。そう思って、80の登場する回を見て、甚だしく泣いてしまった。ストーリーも巧みだし、80本放送当時の作品世界とのつながりも十分にある。何より学園ドラマ的設定の途中放棄という、当時の役者さんやスタッフの方々にとって心残りだったに違いない路線変更に、ものの見事に決着がつけられている。80はあの回でやっと終わりを迎えられたのではなかったか。最後の長谷川さんの表情がそれを何より語っていたように思う。
こいつはいい! そう思って残りの話も視聴を続け、涙涙の嵐となったのだった。
0 件のコメント:
コメントを投稿