垂渓庵です。
わたしは帰ってきたウルトラマン以降の第二期ウルトラシリーズの諸作品よりも、第一期ウルトラシリーズに属するウルトラマンやウルトラセブンの方に滅法思い入れがある。マンやセブンが放映された頃、わたしはこの世に生を受けて幾許も経っていない。一方、帰ってきたウルトラマンの放送は、小学校に上がるか上がらないかの頃だ。当然、世代的にはマンやセブンよりも、帰ってきたウルトラマン以降の作品の方にシンパシーを感じそうなものだ。
どうしてそうじゃないのか。考えてみれば不思議なことだ。なぜなんだろう。
セブンの放送終了は昭和43年。帰ってきたウルトラマンの放送が始まるのが昭和46年。その間には3年のブランクがある。わたしは年齢的にはその三年の間に動物から人間に進化したようなものだと言ってよい。そこに鍵があるに違いない。
記憶がないに等しいのだけれど、そのウルトラ特撮空白期に、ウルトラファイトというごく短い番組があった。マンやセブンと怪獣の、あるいは怪獣同士の戦いに実況中継風のナレーションが入るというものだったと思う。唯一残っている記憶は、たぶんギガスが何かと戦っているシーンだ。あとは、特定のシーンは思い浮かばないけれど、ウーとエレキングも出ていた。
はげ山のような場所で、やーさんのように肩をいからせながら歩いてきた怪獣同士がバッタリと出くわして、変なけんかみたいな戦いが始まるのではなかったか。マンやセブンも光線技を使わなかったように思う。たぶん、ミニチュアもなく、等身大感満点の映像だった。で、そこにプロレス中継風のナレーションが加わる…。
どうも微妙に情けない気がしないでもない。これがわたしの第一期作品への気持ちを決定づけたのだろうか。「そんなはずはない!」という今の気分を投影しないように、慎重に思い出してみても、ウルトラファイトを視聴している時のわたしの気分は、やはりそんなに高揚していなかったように思う。
となると、再放送しかない。が、セブンの放送終了後三年ほどの間にどんな頻度でマンやセブンが再放送されていたのか、そもそも再放送されたのかどうか、よくわからない。当時の新聞の縮刷版でも見れば分かるのだろうけれど、さすがにそこまでする時間はない。が、それより後の再放送の影響を受けて第一期の作品のファンになったというのでもなさそうだ。それなら、まずリアルタイムで放送されていた第二期の作品群に影響を受けるだろう。やはりセブンの放送終了後三年の間にマンやセブンに整序されたのだとしか思えない。
というわけで、わたしは第一期と第二期の狭間で宙に浮いている世代なのではないかと思うのだ。
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