2013年5月20日月曜日

旧暦4/11 歌学書みたい

垂渓庵です。

「日本随筆大成」で江戸時代の随筆を読んでいると、全然違う著者の本で同じ内容の記事──考証的なものが多いように思う──にぶつかることがある。「日本随筆索引(正・続)」を見ても、項目によってはやたらに多くの随筆が指摘されていることがある。

それぞれが独立に同一項目について書いているとは考えにくいので、後発の著者は、どうやら先行するものを受けて、項目を書いているのではないかと思われる。

中にはほとんど全て先行書の抜き書き&要約ですというものもある。逆に、基本的には先行書を踏まえつつ、自分なりの新味を付け加えているものもある。

それらを体系的に眺めれば面白いだろうなとは思うものの、江戸時代ぐらいになると随筆の数がべらぼうに多くなるので、とてもそんなまねはできない。というわけで、なんとなく眺めているような感じだ。

しかし、そうやって眺めていると、先行記事の踏まえ方などは、いわゆる歌学書と似ているような気がする。もちろん歌論・歌学の世界のように、師匠─弟子の系譜が辿れるわけではない。いや、辿れる部分もあるのかもしれないけれど、あれだけの数を相手にそれが見て取れるほど随筆を読んでいない。だから、あくまでも気づいた範囲での比較にとどまるわけだけれど、パクリ~新味のある考証までのありようが、歌学の世界とだぶってくるのだ。

誰か、江戸の考証随筆の世界における学問の系譜をまとめてくれないかな。いや、すでにまとめられているけれど、自分が知らないだけなのかもしれない。

随筆の先行書利用や歌学の世界での書承のありようなどについては、またいずれ紹介しよう。なんか、「またいずれ」がだいぶ溜まっているような気がする。「北極シティーの反乱」についてもまた書かないと

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