垂渓庵です。
先日電子辞書を買った。二代目である。初代はすでに十年選手だ。高校生の学習用モデルで、搭載辞書もほとんどない。今ではほとんど使うこともなくなっている。ここ数年は子供のおもちゃになっていた。
ウルトラ大先輩のchikurinさんから日本国語大辞典が入っている電子辞書があると聞き、にわかに食指が動き、検討しばし、購入に至ったものだ。今は順調に稼働している。直近の語彙については難しいものの、日国大の総合力はやはりあなどれない。直近の語彙はkindleに搭載されているデジタル大辞泉である程度カバーできるので、授業レベルはもちろん、普段読む本のことばを調べるぐらいなら十分事足りるようになった。
電子辞書を購入すべく、各社の電子辞書を比較検討していて気づいたのだけれど、最近の電子辞書ってのは、とんでもなくコンテンツが膨らんでいる。一定の値段をキープするためにやたらに辞書事典類を詰め込んでいるのではないかと思わなくもない。こんなものを入れるくらいなら、それを省いて値段を下げてくれりゃいいのに、ってものがわんさと入っている。
無駄の最たるものに思えるのが、有名どころの文学作品だ。某社の最新モデルには、なんと二千タイトルもの文学作品が収められている。一瞬、こりゃすごいと思いかけたが、よく考えてみると電子辞書である。別に小説や詩を収めてくれていなくてもいい。あの画面で長い文章を読みたくはない。メーカーサイトを見る限り、青空文庫の本文の流用らしいし。
それに、二千タイトルのうち、千タイトルは英語だ。そんなものは英語系のコンテンツを充実させたモデルに入っていれば十分ではなかろうか。明記されていないが、本文はおそらくプロジェクト・グーテンベルグ由来のものだろうと踏んでいる。独自の選書を行っているのなら、それなりの存在意義もあるだろうけれど。
というわけで、種々検討の結果、某社の型落ちモデルを購入した。目的は精選版日国大だ。最新版と比べるとそれ以外のコンテンツは見劣りするが、それほど困らない。というか、たぶん全然困らない。わたしの購入したモデルは、電子辞書を常用している方々に言わせれば、キーの触り具合に難点があるようだが、幸いわたしの初代モデルは触り心地がえらいこと悪い。
そんなこんなで、若干の逡巡の後に購入したわけだけれど、やはりキーの触り心地は全く気にならなかった。それよりも、初代と比べるとむやみとごつくなっているのに驚いた。電池も単三が二本必要だし。持ち運びに不便を感じなくもない。精選版の日国大が入っていないなら、別に初代でいいやと思ったことだろう。
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