垂渓庵です。
古本屋さんをよく利用する。以前はいわゆる黒い本を買うことが多かったけれど、いまは白い本──という言い方は合っているのだろうか──もよく買う。
読み捨てに近い小説本などを買う時は、ブックオフなどのチェーン店が重宝する。が、著者さん的には、書店で買ってほしいかもしれない。
大きな声では言えないが、最近軽くはまっている有栖川有栖さんの本や畠中恵さんの本などは、ほとんど古本屋さんで買っている。いかぬいかぬとは思いながらも、つい。だって、いっぱい置いてあるんだもの。などといいおっさんが言っても気持ち悪いだけだ。
古本屋さんを大いに利用しているものの、さすがに読みたいものがタイムリーであるわけでもなく、特に有栖川さんの本については、古本屋さんで見かけるものはたいてい読んだ。そろそろ正規の本屋さんで買う時期が近づいている。
ところで、有栖川さんの看板シリーズである、「作家アリスシリーズ」と「学生アリスシリーズ」は、どちらも登場人物がばりばりの関西弁をしゃべる。事件が起きるのも、京阪神周辺であることが多い。ご当地ミステリーってわけだ。わたしの住まいするところからそれほど離れていない町も殺人事件の舞台となったことがある。
そういう意味では、京阪神を中心にもっとブームになっていいと思うのだけれど、大ブームが来たという話は聞かない。本格ミステリーというジャンルがブレイクを妨げているのか。はたまた、関西弁がネックになってなかなか全国的に浸透していかないのか、よく分からない。
けれど、有栖川さんの小説には、人間の悲しみみたいなものがしっかりと描かれていると思うだけに、多くの人が読まないのは残念な気がする。もちろん、有栖川さんが大ベストセラー作家になってしまったら、ちょっと残念な気もするのだけれど。
というわけで、有栖川さん。今後はできるだけ本屋さんで買うようにします。
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