垂渓庵です。
昨日ウルトラマンタロウの替え歌(?)をうちの子と歌っていると書いた。もちろん、うちの子はウルトラマンタロウの世代ではない。タロウの世代はもう四十歳を超えているんじゃないか。それなら親は六十を超えているだろう。主題歌の替え歌など親子で歌っている場合ではない。
子供がタロウの存在に気づいたのは二年ほど前のことだろうか。街中に一緒に遊びに行った折、タロウの歌を歌いながらストリウム光線をバンバン放っている男の子に出会ったときだ。子供があれは何かと聞くので、ウルトラマンタロウというヒーローが昔いて、あの子はその真似をしているのだと教えた。が、実は「あれは何か」と聞きたいのはこちらの方だった。せいぜい五つぐらいの子がなぜウルトラマンタロウを知っているのか。
ちょうど昼ご飯にパンを食べていたときのことだったので、しばらく観察していた。 特に変わったところのない普通の男の子だ。いや、タロウの主題歌をずっと歌っている時点で、すごく変わっている。何なんだこの子は。そばにお父さんらしい人が立っている。奇異な感じはしない。わたしと同じように子供を連れて町中に出てきたのだろう。さしずめウルトラの父か。
たまたまうちの子以外に似たような年代の子がいなかったためか、タロウ少年はうちの子に戦いのまねごとを仕掛けてきた。無茶なことをしそうな感じはしないのでしばらく様子を見ていることにした。子は及び腰だが、すぐに二人で辺りを駆け回りだした。ちょうどいい遊び相手だ。
ウルトラの父に話しかけて聞いてみると、その少年の名前は太郎。ありゃ、ほんとにタロウだったのか。少し前にお父さんが太郎君にタロウの話をしたところ、興味をそそられた様子だったので、DVDを見せたそうだ。そうすると太郎君はタロウに一発ではまってしまったというわけだ。それ以来ずっとあんな調子らしい。
ウルトラマンタロウは明るい作品だった印象があるし、あの年代ならぐっときて無理はない。まして主人公の名前が自分と同じなんだから。わたしは彼にぜひメビウスを見せてやりたいと思った。残念ながら東光太郎は出てこないけれど、タロウの見せ場もある。太郎君はメビウスを見ていないということだったので、ぜひ見せてあげてくださいと言っておいた。
子供たちがしばらく遊んだ後、太郎君のお母さんがやってきた。お母さんが買い物をしている間、太郎君たちは時間をつぶしていたらしい。子供と一緒に太郎君一家にバイバイをして別れた際、太郎君はストリウム光線を放ってきてお父さんに怒られていた。
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