ラベル SF の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル SF の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2021年12月2日木曜日

旧暦10/28 木金土

 垂渓庵です。

 何日か前の夜空を見上げると、明るい星 やや明るい星 すごく明るい星と南から西の方角の空にかけて並んでいた。多分、木星 土星 金星だったんじゃないかと思う。もっと距離が詰まっていたら、結構珍しい現象なんじゃなかろうか。そこらあたり、詳しくは分からないけれど、天文年鑑や天文関係のサイトなどを見ると分かるんじゃないかと思ってみたり。あえて調べないけれど。

それはともかく、木星の衛星のガニメデはホーガンの「星を継ぐもの」でガニメアンの宇宙船が発見された星として思い浮かぶ。金星はやっぱりスタニスワフ・レムの「金星応答なし」だな。土星は。ええと土星は、すぐに思い浮かばない。主な舞台というわけではないが、カート・ヴォネガットの「タイタンの妖女」あたりか。

などと星を眺めながらとりとめもないことを考えた。

2019年1月21日月曜日

旧暦12/16 訃報 横田順彌

垂渓庵です。

すっかりごぶさたしてしまった。というのが常態となっている。ということも何度も書いた。変わりがないわけではないが、書く時間もない、ということでさくっと省略。

さて、SF作家の森下一仁さんのブログを見て、横田順彌さんが亡くなっていたことを知る。

そうか。お亡くなりになったのか。ここんとこ調子がずっとすぐれないということを何かで読んでいたので、驚愕したというわけでもないのだけれど、ショックがなかったわけでもない。

横田さんの作品を最初に読んだのは、ユーモアSFのアンソロジーの一編、「脱線<たいむ・ましん>奇譚」だったのではなかったか。内容についてはすでに忘却の彼方だ。たぶん読んだのは中学生のころ。もはや40年近く前のこととなる。

それ以後もつかず離れずという形で横田さんの本は読んでいったはずだ。「日本SFこてん古典」(1~3)をお出しになり、押川春浪をはじめとする明治ものをいくつもお出しになるあたりまでは、読み継いでいったように思う。ウィキペディアの著作一覧を見渡す限りでは、1990年ごろまではフォローしていたようだ。それ以後は、わたしも専門の研究やアフリカンのパーカッションにのめりこんでいき、そちらに多くの時間を割くようになったのだったか。

90年代以降は横田さんの新刊を手に取ることもなくなっていった──というか、SFそのものを手に取ることもなくなっていった。海外SFで言うとサイバーパンクあたりまでか──のだけれど、「第一種失禁遭遇」だの「アレ・オランガナ姫」だの「ルーム・スカイランナー」「オオ・バッカ」「ゼン・ソロ」「アカン・ベーダ―」「スター坊主」などなどのくだらなくもステキなダジャレは今でもいくらでも諳んじられる。田中啓文さんが好きなのも確実に横田さんがいたからだと言える。

一方で古典SFの研究にも興味をひかれた。最近はそちらの方面に傾斜しておられたようだけれども、そうなる以前から主流文学から外れたところの作品の面白さを横田さんを通して知っていったように思う。「日本SFこてん古典」を単行本3冊揃いで持っているのは私のひそかな自慢だ。一時期古書価がべらぼうに高かったと記憶している。

横田さんの前にこんな研究分野はなかったし、現在でも横田さんの研究は一級の価値を持っている。たぶん。書誌的なデータをおろそかにせず、しかも面白おかしくSF前史を語る人だった。横田さんがいなければ、中山忠直の「地球を弔ふ」などはきっと知らないままだったろう。

こうやって見てくると、横田さんはおれの人格形成期に少なからぬ影響を与えているようだ。北杜夫然り。星新一然り。カート・ヴォネガット然り。みんな鬼籍に入ってしまった。

改めて横田さんの冥福を祈る。今日は久しぶりに「日本SF古典集成」でも拾い読みしてみようか。

2016年4月25日月曜日

旧暦3/19 航空宇宙軍史

垂渓庵です。

SF作家の谷甲州さんに「航空宇宙軍史」なるシリーズがある。ガチガチのハードSFで、航空宇宙軍の確立~外惑星動乱~氾銀河文明との争いという大きな枠の中で様々な時点の話がとりあげられる。20年以上前に一応の完結を見たシリーズだ。

主にハヤカワSF文庫で刊行されていた。確かシリーズ最後の「終わりなき索敵」はハードカバーで出されたように記憶している。その後文庫化したのだったか。

宇宙空間の圧倒的な距離感や航宙艦の息詰まるような閉塞感、戦闘行動の緊張感などがたまらないシリーズだった。下手をすれば死と隣り合うハードで乾いた世界が好きな人にお勧めだ。

長らく読み返していなかったけれど、気付けばシリーズが再開している。というか、「新・航空宇宙軍史」という角書きを持った単行本が出ているじゃないか。しかも今年のSF大賞を受賞したときたもんだ。こりゃあ買うしかない。と思っていたら、なんと過去のシリーズも改稿されて電子書籍として発売されているというじゃないか。買おうかどうしようか激しく迷っているところだ。

2014年1月26日日曜日

旧暦12/26 火田七瀬を考える 2

垂渓庵です。

筒井康隆さんの七瀬シリーズについてその2だ。もっとも、第三作の『エディプスの恋人』は読まないままなんだけれど。

ざっくりと前回を振り返ると、『家族八景』の七瀬に違和感を感じるのはなぜなのだろう、という話だった。


その原因の一つとしては、当時のSF周辺のメディアでの七瀬評自体が、そもそも『家族八景』の七瀬像とは少しずれてたんじゃないか、ってことを指摘した。今回はその続き。

2014年1月21日火曜日

旧暦12/21 火田七瀬を考える 1

垂渓庵です。久方ぶりの更新だけれど、もういちいち触れるのも面倒になってきた。ちょっと忙しかったのです。

この何日かで筒井康隆さんの『家族八景』と『七瀬ふたたび』を読んだ。再読ではない。初読だ。おまえはそれでSFファンをよく名乗っているなと言われそうだが、わたしの未読SFをリストにしたら、おまえなんかSFファンじゃないと言われるところだろう。が、何と言われようが、わたしはSFファンだ。どうしても納得できないという方が多ければ、心のSFファンと言ってもいい。

さて、『家族八景』と『七瀬ふたたび』を読んで思ったことを少し書いてみよう。ほんとうは、『エディプスの恋人』も含めて三部作なのだけれど、まだ読んでない。読むとしてももう少し先になりそうだ。というわけで、印象がはっきりしているうちに書いておく次第。記憶力が劣化しているしね。

2014年1月12日日曜日

旧暦12/12 いったい…

垂渓庵です。

以前このブログで田中啓文さんに触れたことがあると思う。『蹴りたい田中』や『銀河帝国の弘法も筆の誤り』『異形家の食卓』などの作者である、大阪在住の気鋭のSF・ホラー・ミステリー作家だ。また、ジャズサックス奏者でもある。

で、その田中さんの小説を冬休み前後に何冊か読んだ。ここでは、その一冊、『こなもん屋馬子』に仕込まれた小ネタを紹介したいと思う。ま、一種のネタ晴らしだけれども、一瞬で終わるもので、なおかつ作品の展開には少しも触れるところがない、というものだ。

小ネタを紹介する前に、作品について触れるべきなのかもしれないが、面倒なので割愛。詳しくは、これあたりを参考にして下さい。なんというか、いかにも田中さんらしい作品だ。

2013年12月31日火曜日

旧暦11/29 年の瀬

垂渓庵です。

いよいよ年の瀬。このところブログの更新をすることもままならなかったけれど、それでも年の瀬はやってくる。

来年はもう少し更新頻度を高めたいと思うけれど、さてどうなるか。

所長のブログを見ていて、未読のラファティの本を読もうと思い立った。愛飲家がとっておきの一本を開けるようなものだな。で、読みだした。やはりラファティはいいと思う。所長の評価はもう一つのようだけれど。

それはともかく、少しもよおしてきたのでトイレに行った。当然本を持って。そこで悲劇は起こった。

そう、大方の皆さんの予想どおり、便座の中に落としてしまったのだ。これを悲劇と言わずに何としよう。あわてて取り出したけれど、本は水を吸い込んでぶわぶわだ。いくら排泄行為に及ぶ前だったからといって、読む気にはなれない。いや、実は読みかけの分だけでも読もうとページを開いたのだけれど、ぬれた本の手触りはあれだ。最悪だ。というわけで、泣く泣く廃棄処分とした。新しいのを買わないといけない。

なんだか最低の締めの記事となってしまった。ともかく、来年もよろしくお願いします。

2013年10月2日水曜日

旧暦8/28 学生アリスと継ぐのは誰か

垂渓庵です。

年に何度かお目にかかる川柳作家の方から学生アリスシリーズの短編集『江神二郎の洞察』をお借りしている。

学生アリスシリーズは、有栖川有栖さんの推理小説だ。有栖川有栖という大学生が登場するが、英都大学という架空の大学に所属する学生という設定で、作者の有栖川さんそのものではない。その有栖川有栖が所属する「推理小説研究会」の部長が江神二郎。冴え渡る推理力の持ち主で、作中での探偵役となる。彼をホームズにたとえるなら、学生の有栖川有栖はワトソンというところだろう。

さて、わたしは以前からこの学生アリスシリーズの学生たちの様子に妙な懐かしさを感じていた。『江神二郎の洞察』を読んで、その理由が分かった気がする。ああなるほどと思ったのは、「やけた線路の上の死体」で使用されている時刻表の発行年が昭和五十八年だと知った時だ。

なんのことはない。ほぼわたしがリアルタイムで学生だった時代の大学生たちが主人公なのだ。当然、キャンパスや街の空気は、わたしがまさに学生として呼吸していたものだ。大学のある場所こそ違うものの、懐かしくなるのも当たり前と言えるだろう。

2013年7月6日土曜日

旧暦5/28 ラファティがきてるのか!?

垂渓庵です。試験のために一日遅れの更新となった。

SFが好きだ。本欄の古い読者ならご存じのことだろう。

小学生のころに学習雑誌に掲載されていたジュブナイルSFを読んで以来のことで、SF大会などに参加したことはないけれど、愛読歴だけはすでにうん十年だ。

けれど、最近のおすすめは? と聞かれると少し困る。 目についたものをぽつぽつ読むぐらいで、最近のSF事情がとんと分からないからだ。

何かで読んだけれど、フェミニストSFなるサブジャンルもあるそうで、サイバーパンクの後あたりから、もう何が何だか分からない。スチームパンクはお気に入りだった。ウイリアム・ギブスンも、ブルース・スターリングも好きだ。ティプトリーも好きだ。ソウヤーも好きだが、ホミニッドの前あたりまでしかフォローしていない。その後が続かないのだ。

2013年6月26日水曜日

旧暦5/18 SFの書棚

垂渓庵です

最近はうちの職場御用達の本屋さんや古本屋さん、kindleで用を済ますことが多く、大規模書店に行く機会が減っていた。先日、ほんとに久しぶりに大規模書店でゆっくり時間を過ごした。その際に気づいたことがいくつかある。

2013年5月6日月曜日

旧暦3/27 小隅黎さんの『北極シティーの反乱』

垂渓庵です。

小隅黎さんというSF作家がいた。またの名を柴野拓美さん。いや、正確には柴野拓美さんのまたの名が小隅黎か。『宇宙塵』の主催にして日本SFファンダムの父で、多くの後進を育てた方だった。小隅黎名義で作品を発表したり翻訳もなさっていた。

さて、その小隅さんに『北極シティーの反乱』というジュブナイルSFがある。コールドスリープによって未来にやってきた少年、カズオ・ナガイが未来世界の危機を前に活躍する佳品だ。わたしは徳間文庫で読んだと思う。

2013年1月11日金曜日

旧暦11/30 原発は技術革新によって安全になるか

垂渓庵です。

小松左京のショートショートだったと思う。ポータブル原子炉のような形で原子力をごく手軽に扱えるようになった時代。遠足に行った小学生(?)が、石油コンビナートか精油所の爆発事故に遭遇し、化石燃料を扱っていた時代の野蛮さを実感するという話があった。

2012年3月28日水曜日

旧暦3/7 再掲 直球勝負3 未来の記憶

垂渓庵です。

これは2008年10月に公開した。この文章を最後に本シリーズは中断してしまった。まだまだ書きたい作家さんは何人もいる。今後、本欄で書き継いでいけたらと思う。そういえば、ホーガンも去年亡くなっているのだった。合掌。「わたしの文庫」の記事というのは、今回は省略してある。

以下本文

垂渓庵です。

好きな作家の第三弾です。

わたしはSF好きです。

今を去ること三十うん年前、幼少の砌のわたしが通う小学校の図書室には、SFを含む児童書のシリーズがいくつかあったようです。「くいしんぼうのロボット」や「生きている首」「合成怪物」などなどを読んだことを覚えています。

「くいしんぼうのロボット」は、ふるたあかねという少女が妙な世界に迷い込み、「ネカアタルフ」という名前になって活躍するという話でした。「合成怪物」は、脳だけにされた男が実験室で視覚や聴覚を持ったグロテスクな人工生命体を作り、陰謀をめぐらす組織の邪魔をしようとする話です。「生きている首」は「ドウエル教授の首」というベリャーエフの長編のジュブナイル版だったんでしょうか。文字通りドウエル教授の首から上が科学の力で生かされているという話です。

2012年3月18日日曜日

旧暦2/26 再掲 ヴォネガットと斎藤緑雨

垂渓庵です。

これは2007年8月に公開したもの。ヴォネガットと斎藤緑雨。ちょっと意外な取り合わせだと思う。本を読んでいてこういう偶然の一致というか奇妙な暗合というかを見つけると、とても嬉しくなる。 これ以外にもいくつか見つけたことがあると思うのだけれど、メモをとる習慣がないものだから、忘れてしまった。ちょっと残念だ。

以下本文

先日ヴォネガットという作家についてご紹介しました。1960年代以降、主にSFの分野で活動を続け、一時期はアメリカの大学生を中心にカルト的な人気を誇った作家で、最近では爆笑問題の太田光さんが彼のファンだということが話題になっていて…、というような話を書いたように思います。

今回はそのヴォネガットの作品の一節と奇妙に符合する斎藤緑雨の寸言を紹介したいと思います。

2012年3月14日水曜日

旧暦2/22 再掲 良心の痛み─ヴォネガットを悼む

垂渓庵です。

 好きな作家ネタはいくつか書いていると思う。これは、その手の記事の中で一番古いもの。2007年4月に公開している。実はヴォネガットの作品のうち、「国のない男」と「追憶のハルマゲドン」は読まずにとってある。少しずつ少しずつ読むつもりでいる。和本についての記事の続きは明日公開します。

以下、本文

カート・ヴォネガットという作家を知っていますか? 最近では、爆笑問題の太田光さんがファンであるということで話題になりました。SF作家として出発 し、後にはSF色の薄い作品もいくつか書いています。1960年代以降、アメリカで一時カルト的な人気を誇りました。そのカート・ヴォネガットが先日、4月11日に84才で亡くなりました。

何を隠そう、太田光さんがファンであるということで話題になる遙か以前から、わたしもヴォネガットのファンでした。ヴォネガットの存在を知ったのは高校生の終わりころでしたから、かれこれファン歴25年近くです。

2012年3月9日金曜日

旧暦2/17 可口可楽の答え


昨日の記事に、Z会ブログでブログをやっておられる野中すみれさん(野中さんのブログ)からコメントを寄せていただき、このブログをお読みいただいている方の中に、SF者がいるということがわかりました。心強い限りです笑い野中さん、コメントを返しておきました笑顔

ちなみに野中さんのお好きなグィンの漢字表記は「娥蘇拉;勒瑰恩」です困った